コバルトクロム合金

コバルトクロム合金によるセラミック補綴

コバルトクロムは以前から使われていますので、なじみのある金属ですね。主に金属床で使われています。

最近はコバルトクロムセラミック(コバルトボンド)が選択される事があります。メタルセラミック自体が減っていますが、弊社でも依頼があるので書いておこうと思います。

画像は日本歯科金属のダンコバルトボンド

使われ方は?

  • 従来のメタルセラミックの様にフレームをワックスアップ→鋳造→築盛して完成
  • CAD/CAMによって、アバットメント一体でのフレーム製作→築盛完成
  • CAD/CAMのバー構造でもラインナップされています
コバルトクロム製アバットメント
鋳造で製作されたコバルトセラミック

コバルトクロム合金のメリット

  • 元素表でチタンと同じ並びにあり、電位量が近似している
  • 正しく研磨されていれば不働態という酸化膜を生成し、イオン流出を防ぐ
  • クロムが23%以上でニッケルや鉄などを含まなければバイオメタルと形容することができる
  • 連結面積の取りにくいブリッジなどでは強固に作ることが出来る
  • 安価である
  • 硬い(硬いが故のデメリットもありますが)
  • 比重が小さい

電位量が近似しているという事はインプラント補綴(チタン)においては、電位差を生じない事ですのでメリットと考える事が出来ます。(これが一番大きなメリットと感じています)

インプラントではクリアランス不足という事はそれほどないので、天然歯補綴の際は十分なクリアランスを取って頂けるケースに向いているのかと考えています。

生体親和性に関してはコバルトだから不利という事ではなく、患者さんのアレルギーを正しく知ったうえで使用できる金属を選択される事が望ましいと考えます。

コバルトクロム合金のデメリット

  • 適合が難しい
  • 鋳造性が悪い
  • ロー着が難しい

適合が難しい理由として、鋳造収縮がプレシャス、セミプレシャスと比べ大きいように感じます。現在販売されているリン酸塩系埋没材はヒートショック対応の物が多いため、加熱膨張の影響が少なく作られています。つまり、膨張のコントロールがしにくいところにあるのでしょう。

鋳造性については、酸素+ブローパイプでの限界があり、高周波鋳造機などコバルトに対応している機器を導入しているとトラブルは少ない様です。

ロー着に関しては、慣れの問題に感じますがラボによってはワンピースで出来る範囲しか受注しない所もある様です。

弊社でも数年前から導入していますが、クリアランスの少ないケースなどは厚めにキャストしてメタル調整で薄くするしかないのですが、アズキャストで適合していても調整量が多いと加工応力の影響が大きいように感じます。また、サグレジスタンスの影響も出るのかも知れません。これによってマージンが開いてしまう事を何度か経験しました。

酸化膜を遮断するためのオペークが、従来のメタルより厚くしないと遮蔽出来ない気がします。

厚く緑色の酸化膜には抵抗があり、酸化膜から剥がれそうなイメージがあります。(あくまでイメージですが・・)

扱いにくい金属のなので積極的に使いたいとは思いませんが、場合によっては効果の高い補綴物になる事もあるかもしれません。

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