e.maxに代表される2ケイ酸リチウムガラスセラミック。 

これまでの鋳造に似た製作工程で作られ、モノリシッククラウンとしての使用やレイヤークラウンなど多様な使用方法があります。

e.maxに加え、多くのメーカーからインゴットが販売されていています

  • フルクラウン(フルカントゥアクラウン・モノリシッククラウン)
  • レイヤードクラウン(築盛クラウン)
  • ラミネートべニア
  • インレー・アンレーなど
  • アバットメント
  • 上部構造

などに使用可能

歯冠修復に適した材料とは?

歯冠修復材料として求められるものに、材料学的な要件として

・身体に安全でアレルギーを発症しない事

・咀嚼に耐え口腔内で長期にわたって機能する強度がある事

・歯垢が付着しない滑沢な表面性状や歯冠色である事

・制作のしやすさ

日本顎伵合学会誌 伵み合わせの科学 第 38 巻 第 1・2 合併号 2018 

現在臨床で使用されるセラミック修復では、従来のメタルセラミックからジルコニアやe.maxに代表される2ケイ酸リチウムガラスセラミック(プレスセラミック)が多用される様になってきました。

また、それぞれがモノリシッククランとレイヤークラウンなど多様な製作方法があり、インレーなどにも応用されています。

エナメル質に比較的近いとされているのも選ばれる理由の一つです。

このプレスクラウンは常にジルコニアと比較され、特に強度面においてジルコニアより「劣る」というイメージをつけられ、1番がジルコニア、2番がe.maxという扱いを受けている様に見えてしまいますね。

私の個人的な意見では、ジルコニアは素晴らしいマテリアルですが、この硬い素材で咬合させることにはいささか抵抗を感じています。

絶対的な強度は必要か?

一般的に意識下で行われる咬合は、成人男性でおよそ60~80Kg(体重くらい)と言われています。無意識下でのクレンチングやブラキシズムでは個人差はありますが、5倍くらいから場合によってはそれ以上の数値が出る事もあるそうです。

とはいえ、3点曲げ試験でプレスセラミックが400~500MPa、ジルコニアが700~1200MPaですから、単冠で考えればどちらも十分な強度です。

ブリッジの場合は、必要な強度が3歯(大臼歯を含む)ブリッジで最低500MPaですから、プレスセラミックが「大臼歯を含まない3歯ブリッジまでに使用可」というのは納得です。

補綴物が壊れないための強度を考えれば絶対的な強度を持つジルコニアに軍配が上がります。

強度偏重主義者はナノジルコニアを使えば良いのに!なんて意地悪を言ってみたくなります・・

しかし、壊れる事やチッピングは「過剰な力がかかりすげてますよ~」というサインと捉えるなら、絶対的な強度は悪となってしまいます。

この過剰な力には咬合調整の不備も含まれます。

また、補綴物が壊れずに過剰な咬合力が加わった場合は、どこかに力が逃げるわけですから、歯根や歯冠、インプラントにストレスがかかってきます。

それが理由と思われるトラブルも報告されていますので、慎重に選択する事が大事ですね。

ここは意見が分かれますが、小範囲の補綴なら積極的にプレスセラミック、範囲を超えたらジルコニアと考えています。

その場合もなるべくジルコニアで対合させる事は慎重になるべきだと思います

その一方で歯肉縁下ではジルコニアを選択したいという願望もあります。

これは密度の高さです。あたり前ですが密度が高い素材の方がプラークは付きにくくなります。ただし、グレージングパウダーで仕上げる事はNGとしています。

それと、エナメル質の硬さとの関係も大事ですね

ブラキシズムやクレンチングと言った悪習癖があるなら、尚の事壊れない材料を危険に感じてしまいます。

咬耗の激しい患者さんの場合、象牙質が露出している所もあるのでそういった場合も要注意なはずなのに、なぜ誰も触れないのでしょう??