昨今の歯科業界はデジタルである事が正義みたいですね。
こういう話を始めるとアナログ技工士と言われそうですが、実はデジタルには肯定的なのです。
まあ、ほぼアナログ技工士ですけど。ただ、考え方は少し皆様と違う所にあるかも知れません。
まずデジタルであることをどう捉えるかなんですが、誰がやってもここまでは出来ますよという基準が明確である事なのです。
もちろんオペレーターによって違いが出たり、詳しい人だとCAD/CAMそのものをいじっていたり。それは「個の技術」なので構いません。
なぜこんな話をするかというと、僕にとってデジタル機器というのは「ツール」でしかないんです。
それを使って何が出来るのかが歯科医院やラボとしての評価にならなければいけないのですが、今の歯科業界はデジタルである事が結果として話され過ぎている感が強い。
下手すると明らかに「?」なものまで良しとしてしまうところが見られますね。
「上手くできる事もある」といった程度のものを「上手くできる」と言う人がとても多いのです。
料理人が素晴らしい調理器具を手にしたとします。
プロの料理人はそんなことをお客さんにアピールしません。
出した料理の評価だけを受け止めます。もちろん素材の良さを謳う事はあるでしょう。
歯科業界の人達は、「コンピュータで製作する補綴物」「インプラント」「オールセラミック」といった、この時点では患者さんに何の価値もないものに価値がある様な言い方をします。
これらはツールまたは材料でしかありません。これをどう使いどう料理するのかが、歯科医や技工士の価値だと思うのです。
例えば、オールセラミックであることが良い治療の結果ではありません。ジルコニアや二ケイ酸リチウムガラスセラミックと言った素材を使い、どの様な考え方でその患者さんに合った補綴物を提供できるかが、素晴らしい術者なのでしょう。
ある歯科医が、「人間がやるよりコンピューターの方が正確に決まっている。」とその方のホームページで言ってました。
ハッキリ言って答えはNOです。まあ部分的には正しいですけど。
そもそもデジタルか?アナログか?なんて議論をする前に、まず補綴物に何が求められているのか? その「大事な要件」を知る事が重要なのです。
そして、その大事な要件に乗っ取った補綴物が良い補綴物である事を知る事が補綴治療の始まりです。
IOSやCAD/CAMを使おうが、フルアナログで作ろうが、出来上がったものを正しく評価できる知識を身につけるべきだと思う訳です。
と、生意気な事を言ってすみません・・

