歯科医院選びでお困りの方へ
その歯科医院がある限り、そこに通い続けたいと思える歯科医院はありますか?
日本は先進国の中で、歯科における患者さんの意識は、最も遅れている国と言ってもいいでしょう。歯科業界には様々な問題があります。それを改善するには、皆様が歯(口腔器官)に興味を持ち、正しい知識を得る事です。
歯科難民と言う言葉を知っていますか?今は欲しい情報がすぐに手に入る時代ですが、その情報を正確に判断する事も出来ず、また鵜吞みにし過ぎたりと、結果「情報に翻弄されたり」「情報そのものを受け取る事が出来ない」といった方がいます。
そういった方に少しでも有意義となる情報をお伝えできればと思い、この記事を書こうと思いました。
専門的なところもあえて入れていこう 他の人が言わない・言えない事も書いていこう という思いで書き始めます!
歯医者さんへ行く理由

虫歯や歯並びなどすでにある問題を解決するため
この先問題を起こさないために定期的に検診に通う

多くの場合、すでに問題があり、「歯医者さんへ通わなきゃ!」と思われる方が多いのではないでしょうか?
そんな時、あなたは安心して通える歯医者さんはありますか?
※定期的なメンテナンスについては歯医者さんや歯科衛生士(デンタルハイジーン)のホームページやブログを参考にされるとよろしいかと存じます。
良い歯科医院を選ぶ方法ってあるの?
お付き合いもない、話したこともない歯科医を評価するのは技工士でも無理!
良い歯医者さんとは
知識も技術もトップレベルで、メーカーや特定の分野でのメンター・インストラクターをやっている歯科医で、人間性も成熟している・・・そんな歯科医をどうやって見抜くのでしょう?
もちろん客観的に優れている評価を持つ歯科医は選択肢の一つとなりますが、そうそう出会えるわけではありません。
メディアで紹介されている歯科医はどうか?というと実際には名医もいればそうでない方も載っています。
ある人にとっては素晴らしい評価でも、他の人からの評価は低いという事は、歯科に限らずどの分野においてもあり得る事です。
ネットで見る患者さんの評価も、技工士の立場から見ると正確性に欠けているものが多いです。
「歯科医が認める歯科医」や「技工士が認める歯科医」は、患者さんの目に留まる所で評価される事はほとんどありません。
本当はこういったサイトがあれば良いのでしょうが、結局は商業ベースのサイトとなってしまい,正確な情報となりえないのがネットの宿命です。
結局のところ、ご自身が「良い歯科医」と思える基準を持つ事が大事なのではないでしょうか
良い歯医者とは、漠然とした話となってしまいますが、患者さんの立場に立っているか?正しく寄り添っているか?そしてその問題に正しく向き合える歯医者であることを言うのではないかと思っています。
その上での技術的な話となると考えますが、何でもできる歯科医はすごいと思いますが、出来ない事を無理してやらず、出来る事をしっかりやる!これも素晴らしい歯科医の条件です。
良い歯医者を技工士は見分けられるのかというと、私だって優れた歯科医の仕事を受けたいと思いますが、実際は仕事をしてみるまで分かりません。
どの歯科医院で治療を受けたいと思うのか?(アプローチでの判断)

まずはここから
一番良いのは、普段から定期検診を受ける事です。ある程度はその歯科医院が見えてくるでしょう。また、スタッフの雰囲気や他の患者さんの対応を見る事が出来ますよね。
この時点で不信感があれば、他の歯科医院へ転院してみるのも良いでしょう。相性も大事です。
そして、信頼できる歯科医と感じることが出来れば、あなたにとって良い歯医者さんとなるかも知れません。
患者さんが多すぎて、「1回の診療時間が短い」、「予約時間が大きくずれる」は避けたくなる条件です。
すでに治療の必要があるなら
- 患者さんの口の中の状態をなるべく詳しく説明してくれること(説明なく治療を進めるのはNG)
- それに対する治療方法や補綴物の選択肢を提案してくれること。(術者がやりたい事だけを進めているなと感じたらNG)
- 自費診療の場合なら、治療結果に対する保証があるのか?補綴物の破損に対する保証など
- 治療期間や治療費の説明
- 最近は画像を加工し、どういった結果になるかを提案してくれるところもあります。(提案と結果が合っているか?)
- 約束事は文書で渡してくれる所は良心的です。(こちらから求めても良い場合があります)」
まとめると
現在どういった状況で、どの様な治療の選択肢があり、それぞれの治療期間や治療費の違い、どういう結果を目標としているのか、そして保証。これらを確認する事が大事です。
軽微な治療であっても、大掛かりな治療が必要な場合でも、上記の様な説明やセカンドオピニオンの提案など、入り口の段階で患者の立場に立てる歯科医師なのかを確認しましょう。
とにかく聞く事!調べる事!です。(※保険診療の場合は上記に対応できない事もありますのでご了承ください)
治療に満足できなかったら(結果に対する判断)

治療結果が気に入らない。このような事も起こり得る話ですが、とても残念な事です。
思っていたのと違う・・ 言われた結果と違う・・ 噛めない・美しくない、等々
大掛かりな補綴の場合や審美補綴の場合は、途中で試適(仮合わせ)という作業が入りますので、その時に「?」と思ったらすぐに伝えましょう。
どの段階でも、不明な点があればその時点で聞くのがいいと思います。
最後の段階では後戻りが難しくなってしまう事もありますが、聞く耳を持たない歯科医か、真摯に向き合ってくれるのかは大きな違いがあります。
そうならない様、事前の説明や確認は大事にして下さい。
診療台に座ったあなたは「まな板の上の鯉」ではありません。
(私の思う良い歯科医 1)
良い歯医者さんの条件の一つに「口腔内写真を撮る」というのがあります。
歯医者さんに来て口の中の写真をたくさん撮られるのは嫌ですか?
これは初診時から治療の経過を見るためには必ずと言っていいくらい必要な事です。
写真を撮らない歯科医がダメだとは言いませんが、撮る先生は良い歯科医である可能性が高くなると言ってもよいと思っています。
特に自費の診療を受ける患者さんで写真を一枚も撮られていないのは「?」と思ってもいいのではないでしょうか・・・
患者さんと技工士
技工士の仕事は補綴物の製作ですので、治療の最後に入れる被せ物が患者さんと技工士の「接点」です。とはいえ、直接会う事も少ないですから、接点というには如何なものか・・・
例外的に治療のどこかで患者さんに立ち会う事もありますので、そこで初めて技工士の存在を知って頂く事もあるのかも知れません。
補綴物ってな~に?

こういったものを作っています。
金属製のインレーなら「メタルインレー」 セラミック製なら「セラミックインレー」 レジン製なら「レジンインレー」と言います
クラウンならそれぞれ「メタルクラウン」「セラミッククラウン」レジン場合は「レジン冠(クラウン)」とか「レジンジャケット」と言います
保険適応の「CAD/CAM冠」というのもあります
それ以外にも技工士が作る補綴物は様々なものがあり、インプラント補綴の上部構造などもあります。
補綴物には保険対応のものと自費補綴に分かれます
保険診療と自費診療
歯の治療には保険診療と自費診療があります。
保険診療とは、国で決められた材料や治療方法に乗っ取って治療され、国内で同じ治療を受けるのであれば治療費は変わりません。
日本独自の保険制度で誇れるものと言っても良いでしょう。しかし、限られた材料や治療方法なので、海外の自由な診療と比べると劣ってしまう所もありますが、そもそも比べる事がどうなのかと思います。
保険診療に対して自費診療(自由診療)がありますが、こちらは制約がありませんから、その時代の一番良いとされる方法や材料を取り入れる事が出来ます。
保険治療に制約はありますが、補綴物がどうあるべきかという点においては、保険であろうが自費であろうが補綴物としての要件を満たさなけらばならないと考えています。
この辺りは患者さんには分かりにくい所かと思いますし、実際に患者さんが判断できない所も含まれてきますので、説明も難しくなってきます。
しかし、分かるかどうかはさておき、「こんなことをやっているのだなぁ~」とか、「ここは分かるような気がする」でも構わないので、専門的な所も含めて伝えて行ければな~と思います。
歯医者さんには嫌われますが、言っておきます!!
保険か自費かの違いはもちろんありますが、歯科医や技工士の「意識」「知識」「技術」に左右されますので、下手な先生の自費診療ならうまい先生の保険診療の方が患者さんにとっては有益になる事があります。
結局のところ、歯科医療に対して意識の高い歯科医や技工士であればどんな患者さんに対しても正しく向き合います。
それを見極めるのが難しいのですが!

あなたを診察する歯医者さんがこんな人だったら嫌ですよね~
ここから先は、補綴(物)に対してのお話しとなります。少し専門的な話となりますのでご了承ください。
分かりそうなところだけ見て頂いても結構ですよ!
でも最初は基本的な所から・・・
基本の「き」 歯の場所と名前
大人の歯は上14本・下14本、親知らず4本を入れると28~32本あるということになります
歯の部位と名称

「3番~3番(犬歯から犬歯まで)を前歯」 「4番(小臼歯)~7番(8番親知らず)までを臼歯」と言います。
これくらい知っておけば、自分の歯の問題の場所や、ここに問題がありますよ~なんて言われた時に、どこの歯を言っているか分かりますよね。
この程度で充分です。
補綴物とは?
まず、歯が一本でもあれば有歯顎、一本もなければ無歯顎と言います。
歯に被せる補綴物を「クラウンブリッジ」または歯冠補綴、 粘膜(歯茎)の上に乗せるタイプを「デンチャー」と分けます。
クラウンブリッジ
インレーやクラウン、ブリッジといった言葉を聞いたことがあると思います。歯の一部または全部を金属・レジン・セラミックで被覆するもの。
デンチャー
歯が一本でも残っていればパーシャルデンチャー 無歯顎ならフルデンチャーと言います
レジン床義歯と金属床義歯に分けられノンクラスプデンチャーや軟性裏層義歯(コンフォートデンチャー)などもあります
コーヌスクローネ
などもパーシャルデンチャーですね
インプラント
の場合はクラウンブリッジタイプと、床が付くインプラントオーバーデンチャー(IOD)に分かれます。
こういった装置を総称して補綴物と言います。
補綴物に使われる素材は?
主に使われる物を代表として
1.金属
・12%パラジウム合金・シルバー・チタン・コバルトクロム合金・プレシャスメタル・セミプレシャスメタル・ノンプレシャスメタル・白金加金
2.レジン
・硬質レジン・ハイブリットレジン・CAD/CAMレジンブロック・床用レジン・即時重合レジン
3.セラミック
・築盛用セラミック・二ケイ酸リチウムガラスセラミック・酸化ジルコニウム
保険や自費の補綴物に使われる素材です。中にはさらに細かく分類されているものもあります。
これだけ見てもさっぱり分からないですよね・・どんな時にどういった素材を使うかをこれからの話の中で分かる様にしていきたいと思います。
補綴物がどうあるべきか
皆さんの口の中に入る補綴物がどうあるべきかを知ってもらいたいと思います。補綴物についてはなんとなくわかって頂けているでしょうか?その補綴物には良いものとそうでないものが存在します。しかし、患者さんがこれを正しいと判断する事はなかなか難しいと思います。
が、どうあるべきかを知っておいても損はありませんので、興味がある方、お時間のある方は是非!
1.マージンの適合が良い事
2.マージンが縁下に入っている場合、貫通部の形態や性状が正しくある事
3.コンタクトの位置や形、強さが適切である事
4.正しい咬合接触点が回復されている事。
5.アンテリアガイダンスによって臼歯部離開がされている事
6.審美的であること
これは1本または少数歯での補綴に対しての評価であって、欠損を含むケースや多数歯補綴の場合は、さらに評価の基準が変わってきます。
何を言っているのか分からないと思いますが、これら6つの点について説明していきます。
補綴物がどうあるべきか
1.マージンの適合が良い事

赤い線で描かれているのがマージンです。分かりにくいかも知れませんが、形成された辺縁の事をマージンと言います.
このマージンの適合と言うのが補綴においては絶対的な条件で、ここの適合が悪いと2次カリエスとなったりします。
図はemaxインレーの場合ですが、当然クラウンでも同じことが言えます。しかしクラウンの場合は、マージンが歯肉の内側に設定されている事もあり、患者さんには分かりにくく、適合の良い補綴物をセットするかは歯科医のモラルにかかってきます。
ここを確実に行うためには、歯科医の形成と印象(型取り)の上手さにかかってきます。もちろん技工士の技術力も大事です。


正直、これは最悪のクラウンです。
しかし、こういったクラウンが患者さんの口の中に存在する事も多々あります。
今後、何かの治療の際に、この補綴物を「不良補綴物」として撤去の対象となってしまう場合もあります。
(私の思う良い歯科医 2)
今も昔も歯科医と技工士の間で解決しない問題に「形成」と「印象」があります。補綴物を作るためにはとても大事な所でここから全てが始まります。
歯を削る際の出血や浸出液は印象時には大敵となります。「2回以上型を採る」「削った翌週に型を採る」は正確に印象を採ろうとする歯科医の表れかもしれません。
ただ、歯肉を傷つけず、削った日に正確に型を採れる歯科医もいるんですけどね。
次回は歯肉縁下の形態についてお話しします。